●機械保全技能検定の利用実態（2021年度の受検人数）：3級 機械系保全作業：70名、電気系保全作業：15名

●その他の推奨資格：機械検査技能検定 3級、危険物取扱者乙種4類、第2種電気工事士

福井県立武生商工高等学校は福井県のほぼ中央部の丹南地域とよばれる場所に位置します。打刃物やメガネなどの伝統産業と、電子部品や自動車関連企業、化学メーカーなど、多くの製造業に支えられ、生徒達は恵まれた進路環境のなかでに学習に取り組んでいます。
近年は外国人の労働者も増え、本校にも日本以外の国籍を持つ生徒が入学してくるようになりました。このような環境の中で、地域の特に製造業における人材提供において、機械保全に関する知識や技能は必須のものと考え、機械系学科の1年生は全員受験の体制で機械系保全3級に取り組んでいます。

受検に際しては、専門教科との関わりをできるだけ持たせる中で、安全や保守に関する興味関心を喚起し、資格取得に対する意欲を高めるように工夫しています。
学習は主に始業前の朝補習で対応していますが、家庭の状況で参加できない者もおり、補習の状況をビデオで撮影し、生徒個々が学校配布のタブレットや、個人のスマートホンで視聴できるようにしています。このことにより、参加できない生徒に対応するだけでなく、補習で理解できなかった生徒たちの繰り返し学習なども可能になっています。

１年時に取得した機械保全に関する知識や技能は、その後の実習などにも活かされ、工場での技能習得や安全意識の持ち方において高い効果が認められます。検定に向けて身に付けた知識はもちろんですが、機械や工具の操作や取扱いに対する意識の持ち方が、多くの作業の効率化や安全性に役に立っているように感じています。

これらのことが、生徒一人ひとりの将来に役立つだけでなく、地域の産業界に大きく貢献していることを自覚し、今後も多くの生徒たちがより地域で活躍できる環境を整えていきたいと考えています。

※本記事は2022年1月掲載時の情報です。